平安堂のブログ
飲んでも飲んでも潤わない「陰虚(いんきょ)」
2019年8月26日
漢方, 虚弱体質(疲労・冷えなど), 食
◆夏の暑さに弱い「陰虚」体質とは?
「冬の寒さは平気だけど、夏は苦手…」
そんな人は体質が「陰虚(いんきょ)」という状態に傾いているかもしれません。
陰虚の「陰」は、体に必要な水分・うるおいを保つ力、
そして「虚」は、弱る・不足、という意味なので、
「陰虚」を簡単にいうと、「水分保持力の低下」ということになります。
体を冷やす働きのある水分が不足し潤いがなくなると、
余計な熱が生じやすくなり、のぼせやほてりなどの症状が出やすくなります。
とくに更年期は陰虚に傾きやすく、更年期症状と陰虚体質は重なるものが多い傾向にあります。
◆単純に水分を補っても解消されない
陰虚の場合、のどが渇いて水分を飲むのだけど、潤いを保持する力が弱っているため、水分そのものを補うだけでは解消されません。
「陰」を補う食べ物をとるなどして、潤い不足を悪化させないように心がけることが大切です。
◆舌で見る陰虚の傾向
・色:全体的に赤い
・舌苔(舌のコケ):少ない・ほとんどない
・表面:ツルツル、ひどい場合には
裂(れつ)紋(もん)(裂け目・ひび割れ)が出ることも。
◆陰虚体質に多い症状
・体の熱感 ・手のひらや足の裏、首のほてり
・のぼせ ・イライラ ・不眠 ・寝汗 ・から咳
・口や喉の渇き ・口のトラブル(口臭・虫歯など)
・肌や髪、目の乾燥 ・便がカタい など
**陰虚を悪化させない養生法**
◆控えたい食べ物
・一番気を付けたいのは「香辛料」
(唐辛子・コショウ・山椒・からしなど)
→体をほてらせ、潤いを奪ってしまう
・「油っこい物の食べ過ぎ」も、発汗やほてりを悪化させます。
あっさりとした味付けで野菜中心が〇。
◆水分補給は野菜や果物で
陰虚の方は、ガブガブではなく、こまめな水分補給が大切。中でも、みずみずしい野菜や果物で穏やかに水分補給をするのがコツ。
ぶどう・梨・みかん・すいか・ライチ・トマト・レモンなど、自然の中で育ったこれらの野菜・果物には舌に優しい自然の甘味と酸味で、陰を補い、体を潤す働きがあります。
◆余分な熱を冷ます食材
体のほてりを鎮める代表的な食材が「すっぽん」。また、鴨肉やアワビも熱を冷ましてくれる食材です。他には、豚肉、はまぐり、れんこん、ゆり根、白きくらげ、豆腐、黒米などもオススメです。
◆汗のかき過ぎは要注意!
陰虚の人は、汗をかきやすいため、過度の運動や発汗は、「陰」を消耗し体調を崩すもとになります。炎天下でのスポーツやサウナでびっしょり汗をかくようなことは不向きです。水泳やアクアビクスなどの水中運動がオススメですが、水中でも体を動かせば汗をかくので水分補給はお忘れなく。
◆夜更かしは禁物!
陰のエネルギーは夜中に養われます。本来なら安静にするべき夜間に、仕事や趣味に没頭して夜更かしすると、陰を消耗することになります。徹夜明けに体がほてりやすくなるのはこのせいです。
職業柄、夜間業務をされている方は、とくに意識的な養生をオススメします。
陰虚体質の改善に「亀板(きばん)」(亀の甲羅)
「亀板」は亀の甲羅を生薬にしたもの。
「補陰の女王」と言われ、体の水分を貯蔵し的確に分配する働きを助けます。亀板を煮詰めて膠状にした「亀板膠」は、亀板よりも純度が高く、作用も高いものになります。
養生だけでは追いつかない陰虚体質の方には、亀板膠に鹿角・クコ・人参を合わせた「亀鹿霊仙廣(きろくれいせんこう)」をお勧めします。詳しくは店頭までどうぞ。